長財布
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ARCADE(アーケード) 4color フェイクレザー ウォレット ラウンドジップ 財布 メンズ 長財布
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[バルア] Barua REF-008 リフレクションかぶせ長札入れ 牛革 メンズ
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null「お勝手の上の戸棚にね。青い徳利に配給のお酒が少しある筈ですよ。取ってから、もう半月ぐらいになりますけれど。お飲みになりません。あそこならちょっとぐらい灯りをおつけになっても洩れませんから」  そうか、とこれはしみじみ有難かった。他に飲む者が無いのに、病人が酒のありかを知っているなどと、やっぱり私のことを考えていてくれたに相違ない。いかにもリツ子らしい思いつきだと、一年振りの、馴れた妻に行当る心地である。  酒といえば、ウイスキーなら鞄の中に一本あった。が、その徳利の酒を飲んで見ねば相済まぬような其場の感傷に誘われるのである。  旅から持ち帰った懐中電燈を手にさげて、お勝手の中で、素早くつけた。ある。ゆすってみる。こぽこぽと闇の中に液体の動く侘《わび》しい音がした。湯呑みも握って帰ってきた。 「あったよ」  と手探りで湯呑みに入れ、リツ子の枕許に坐りながら、飲んでみる。酸っぱかった。変質しかけているようだ。米酒《ミーチユ》の味である。米酒といえば、零陵《れいりよう》の辺りではよく飲んだ。土民の家毎にあの米酒の甕《かめ》が据えられて、その濁り酒の米のところを、ウドン屋の笊《ざる》のような細長い籠で濾《こ》して飲むのである。討伐と称して大抵部落襲撃の掠奪《りやくだつ》の後に飲むのだが、牛をひきつれて、真赤になってよろめき歩いていた兵士の姿を覚えている。 「どうして、寝ながらお酒のあり場など知っていたの?」 「配給がありました時にね、(病人と女の家に酒がどうして要るかいな、)ってお母さんが悔んだのですよ。その後で、裏の漁師と章魚《たこ》に物換えしようとしましたから、(さんが帰られるかも知れんから取っといて、)と云うたら、お母さんがとてもおこって、(何時《いつ》見えるかわかるもんな、よかたい、一年でも二年でもとっとこう。棚の一番上に入れとくばい、ようおぼえときなさい、)と、随分腹掻《はらか》いて——、でも後では、あなたにとっておこうと、お母さんも思ったのでしょう。二三日前も、(ほんなことこりゃ酢になりよるばい、さん、いつ帰らっしゃるかいな、)って云っていましたのよ」  私はくらがりで、酸っぱい冷酒を乾《ほ》しながら、この話は馬鹿に面白かった。微笑《ほほえ》ましい。しみじみ内地に帰りついたような、みじめな世話話《ばなし》である。リツ子やその母の問答の姿迄眼に浮ぶようだった。 「眠れそうだ。有難い。よしおやすみ」  と私はぐっと飲み上げて床に入り、その話にうかぶ情景だけをさまざまに描きつくしながら、帰国第一夜の眠りにつくのである。  寝過した。朝日のなかで、日光よりも私の視線の方をまぶしそうに眺める妻の顔を、久方ぶりにいじらしく見下ろすのである。それほど寝痩《や》せもしていない。頬の白さにポッと赤味さしていた。 「おっと、美人だ」  とふざけながら、硝子戸を繰る。中国の農民の間ばかりを渡り歩いていた私には、妻の顔が何かガラス戸越しの人形のように脆弱《ぜいじやく》な人工の所産に見えた。つくづくとリツ子を眺めて、今更のように夥《おびただ》しい風土の果を経めぐった、自分の旅の重さを感ずるのである。ふっと昔が今に繋がらないような故知らぬ空虚の気持が湧く。昨夜この家の玄関をくぐった時には、まるで昨日発ったばかりの家に帰るほどの気安さだったが、妻に会うてみると思いがけず、旅の中に飢えていった心の狂暴を知るのである。  自分でお勝手に立っていって伏せられた三升炊《だ》きの大きな釜《かま》に湯を沸かした。枯松葉がきっちり結えられていて、それをほぐすと、パラパラに飛散するのである。こんな生活の営みも、何処か故国の静かななりわいだとなつかしかった。が、明日にも焼夷弾《しよういだん》の雨下の中に燃え上って終《しま》うだろう。漢口や長沙辺りの爆撃の規模を知っているから、火叩きで防ぎとめられる戦争ではないと知っている。知っていながら今は、無為にして、しばらく小さな故国の閑をむさぼりたいのである。  シュンシュンと湯が沸き立った。バケツと洗面器を手にさげながら、リツ子の側に帰ってゆく。 「いいです。いやーいやー」